カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

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教育

自民党「家庭教育支援法案」をきっかけに文部科学省の「家庭教育支援」施策を調べてみた

今朝、わたしのTwitterのタイムラインで、朝日新聞(デジタル版)の記事についてのつぶやきがたくさん流れていました。わたしが一番ひっかかったのは「この法律案のベースに親学があるのでは……」など危惧するコメントでした。

2012年に大阪市で、大阪維新の会が提出を検討した「家庭教育支援条例(案)」に関して、カイパパ通信も含め、関係者が批判の声をあげました。参考記事のまとめはこちら。

この大阪維新の会の「家庭教育支援条例(案)」には、伝統的な子育てによって発達障害が防止できるという条文がありました。
(伝統的子育ての推進)
第18条
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する。

この条例案は「発達障害の原因を親の育て方によるものとする間違った根拠にもとづいている」と批判を浴び、撤回されました。

今回、自民党が提出を検討しているという「家庭教育支援法案」がどのようなものなのか。法案そのものが、今のところネットでは見つけられません。名称は、大阪維新の会のものとそっくりですが、だからといって内容も同じだと即断することはできません。

・朝日新聞:家庭教育支援、国が方針 住民の協力は「責務」 自民法案(2016年10月22日05時00分)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12619776.html
自民党が来年の通常国会に提出予定の「家庭教育支援法案」(仮称)の内容が明らかになった。家庭の自主性を尊重するとしつつ、国が家庭教育支援を進めるための方針を決め、地域住民に国や自治体の施策に協力することも求める。「公」が家庭教育に関与しかねないことへの懸念の声もある。 *無料公開部分のみ引用

朝日新聞はこのように報じていますが、具体的内容はわかりません。

手がかりを探して、文部科学省のサイトを見てみました。
「家庭教育支援」というキーワードで探してみると、以下のようなことがわかりました。
長くなりますので、先に結論だけ言っておくと、親学との関連は見受けられませんでした。

まず、担当課は、生涯学習政策局男女共同参画学習課です。
施策名は「家庭の教育力の向上」となります。
ウェブサイト⇒ http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1246352.htm

検討の経緯を見ていきます。

平成23年度に「家庭教育支援の推進に関する検討委員会」をつくり、報告書をまとめています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1306958.htm

この報告書の「はじめに」の中に以下の記述があります。
家庭教育の支援施策については、教育基本法に平成18年の改正により、国と地方公共団体の責務として明記されています。この報告書が、国や地方公共団体の施策の指針となり、各地の家庭教育支援の取組の活性化に役立つことを期待しています。

教育基本法が、家庭教育の支援の推進の根拠法であることがわかります。

その後、文部科学省は、平成25年度から以下のようなテーマの検討委員会をつくって検討を続けています。
・平成25年度「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりに関する検討委員会」
・平成25年度「家庭教育支援チームの在り方に関する検討委員会」
・平成26年度「中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会」
・平成27年度「家庭教育支援手法等に関する検討委員会」
・平成28年度「家庭教育支援の推進方策に関する検討委員会」

「生活習慣づくり」と「家庭教育支援チーム」が主なテーマだったということがわかります。

検討委員会の集大成的な今年度(平成28年度)の「家庭教育支援の推進方策に関する検討委員会」の設置要綱にはこうあります。
1 趣旨
核家族化や地域社会のつながりの希薄化等を背景として、子育ての悩みや不安を抱えたまま保護者が孤立してしまうなど、家庭教育が困難な現状が指摘されている。
これまで文部科学省では、全ての保護者が安心して家庭教育を行えるよう、地域人材を活用した「家庭教育支援チーム」等による身近な地域における保護者への学習機会の提供や相談対応等の取組、並びに、子供から大人までの生活習慣づくりなどを推進してきたところである。
本検討委員会においては、共働きや経済的な問題などで家庭生活に余裕のない保護者への対応や、「家庭教育支援チーム」型の支援を更に普及させるための方策など、全ての保護者が充実した家庭教育を行うことができるようにするための具体的な推進方策について検討することとする。

2 検討事項
(1)全ての親の学びや育ちを応援するための方策に関する検討
(2)「家庭教育支援チーム」型の支援を全国に普及させるための方策に関する検討
(3)その他、家庭教育支援の推進のために検討することが必要な事項
※強調はカイパパ。

平成28年度の検討委員会(第3回)の資料のなかに法律案と最もリンクすると思われる来年度の予算要求の内容が掲載されています。その部分のコピーが以下です。
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クリックして拡大


このように、文部科学省は、あらたに「家庭教育支援チーム」を自治体がつくり、困難を抱える家庭への「家庭訪問(アウトリーチ)」を導入することに主眼を置いた施策展開を考えているようです。
当然、貧困や虐待の問題への対処も視野に入っているでしょう。福祉と教育の連携が、家庭という最前線で必要となっている現状への対応につながっていく可能性を感じます。

家庭教育支援チームの普及以外には、「子供の基本的な生活習慣づくりの推進のための普及啓発」「全ての保護者への家庭教育支援の充実(具体的には、人材養成と研修開催)」が施策としてあげられています。

以上、文部科学省の「「家庭教育支援」について、ざっくりと見てきました。
わたしが見たかぎりでは、親学との関連は、見受けられませんでした。1時間半ほどの検証でこのブログ記事を書いたので、ぜひ詳しい方の検証を期待します。

くりかえしになりますが、わたしは自民党の「家庭教育支援法案」の中身はまだ見ていません。法案が文部科学省の施策とは異なる内容を定めているかもしれません。また、公権力が家庭に干渉をするおそれについても、公開後、再度検討をしたいと思います。

自閉症の生徒に体罰で減給処分 千種区の中学教諭

名古屋市の公立中学校の特別支援学級で、担任が知的障害のある生徒をげんこつで殴り、けがをさせた事件の処分が発表されました。(事件について:中日新聞記事

・名古屋市教育委員会による懲戒処分:減給10分の1(3カ月)
・刑事処分:名古屋区検が傷害罪で略式起訴
(※この後、裁判所が略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科すことになる。Wiki:略式手続

教諭は昨年11月から休んでいたが、4月から別の中学校で復帰するそうです。。。
【引用】
 2013年5月ごろから、特別支援学級の生徒計5人の頭などをたたいた体罰も判明。教諭は昨年11月から休んでいたが、4月から別の中学校で復帰する意向という。「きちんとさせたいとの思いでやっていた。指導方法を改める」と話しているという。

思うところは色々ありますが、ことばが出てきません。
粘り強く、考えて、書きたいと思っています。

【カイパパ通信の関連記事】
特別支援学級の生徒殴る 名古屋市千種の中学校(2015年11月18日)
愛知県自閉症協会が名古屋市教育委員会へ要望書を提出しました(2015年12月03日)
名古屋市立中学校「体罰事件」被害者の母親からのコメント(2015年12月20日)
つぼみの会からの改善要望に対する名古屋市教育委員会からの回答書が掲載されました(2016年01月27日)

馳浩文部科学大臣との懇談会に出席しました

今日は「学校教育における発達障害理解促進のためのシンポジウム ―School Autism Awareness Weekに向けて―」に参加しました。
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プログラム内容です


現在開会している国会での成立を目指している発達障害者支援法の改正について、希望の持てるお話が聴けました。

・NHK東海ニュース:発達障害の子どもの支援を考える ←報道されました。
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20160312/3414731.html

そうだ。ここにいる辻井正次先生は、2004年に発達障害者支援法をつくる動きが始まったときからずっと関わり続けている。
今このタイミングで、馳浩文部科学大臣、野田聖子衆議院議員(あいさつのみ)、中根康浩衆議院議員(お三方とも発達障害の支援を考える議員連盟メンバーです)がそろって、愛知でシンポジウムができるのも、当時からずっと継続して発達障害者支援の輪を広げてきたからなんだな、と辻井先生のお話を聴きながら静かな感動を覚えていました。

辻井先生からお声がけいただいて、終了後に、馳浩文部科学大臣と地元の親たちの懇談会に愛知県自閉症協会から出席させていただきました。
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40分間、6人の親たちからしっかりとお話しを聴いていただきました。

実は、馳大臣は、発達障害者支援法を議員立法でつくった時から、議員連盟のメンバーとしてずっと関わってきてくださっています。
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わたしの書いた本のこのページに、お名前がありますね。
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今は、文部科学大臣として、文部科学行政の長という立場で発達障害者支援法の改正を応援しています。直接お話をして、自分が関わってきた法律だという自負と思い入れがひしひしと伝わってきました。心強いかぎりです。

私からは、名古屋市立中学校で起きた特別支援学級での傷害事件について説明をし、「学校現場では、障害者虐待防止の観点がまったくないので、文部科学省として、教育委員会に対し、障害者虐待防止法の趣旨を啓発し、現場の先生の意識を高めていただくよう働きかけていただきたい」とお願いをしました。
馳大臣は、「障害者虐待防止法も、私が関わった法律で、よくわかっています。了解しました!」と力強くおっしゃってくださいました。

【追記】私が強調したこと
障害者施設では、年に数回、職員向けの虐待防止研修を実施している。障害者虐待防止法ができて、「これは虐待だ」という認識レベルが明らかに上がっている。福祉従事者はレベルアップしているのに対して、教員は障害者虐待についての認識を学ぶ機会がないようだ。だから、学校現場での認識レベルを上げて欲しい。

他の親御さんたちからは、

・将来、強度行動障害を引き起こすような劣悪な学校環境(教室が不足して、カームダウンするスペースもない現状)の改善
・大学のキャリア支援室とハローワークとの連携
・学校の先生のレベルアップ(当たり外れが大きい現状の改善)
・電子教科書の普及と効果測定の必要性
・識字障害のある子どもに対する英語教育の配慮 など

実感に即した要望が出ました。大臣は一つひとつを丁寧に、確かめながらお話を聞いてくださいました。直接耳を傾ける姿勢に誠実さを感じました。

このような貴重な機会を与えていただき、辻井先生に感謝します。
それから、このシンポジウムは、世界自閉症啓発デーのイベントに続いていくのですが、学生ボランティアの多さに感動しました。若い人たちがこんなに関わってくれているんですね! ありがたいです。
なんだか、胸があたたくなる一日でした。

・世界自閉症啓発デー LIUB(Light It Up Blue)名古屋 Facebookページ

【開催告知】学校教育における発達障害理解促進のためのシンポジウム

3月12日には、東海特別支援教育カンファレンスのほかに、学校教育における発達障害理解促進をテーマにしたシンポジウムが名古屋で開催されます。文部科学大臣や国会議員も参加する貴重な機会です。事前申込必要です。

■学校教育における発達障害理解促進のためのシンポジウム ―School Autism Awareness Weekに向けて―
お申込はこちらから
今年、英国自閉症協会が3月14−18日をSchool Autism Awareness Weekとして、学校での自閉症の理解啓発に取り組む啓発への呼びかけをする動きに歩調を合わせる形で、4月2日の(国連が定めた)世界自閉症啓発デーを前に、わが国における学校での発達障害の理解啓発促進のためのシンポジウムを行いたいと思います。
今回、このために1000人以上の発達障害の子どもたちから、「友だちや先生にわかって欲しいこと」についての声を集め、そうした声に対して学校や社会で何ができるのかを考える機会としていきたいと思います。あわせて、学校における発達障害の理解啓発のための教師が活用するツールについても紹介していきます。

・日時:2016年3月12日(土)9時半―12時
・会場:中京大学名古屋キャンパスセンタービル・ヤマテホール(名古屋市昭和区八事本町101)
・定員:120人
・参加費:無料
・参加条件:発達障害児者の保護者・当事者本人、学校教育関係者、発達障害支援に取り組む支援者。

・プログラム:
9時30分− :あいさつ  馳浩文部科学大臣
9時35分−「学校において知っておきたい発達障害についての基本的なこと;発達障害をどう理解し、どう伝えるか」 講師:辻井正次(中京大学現代社会学部)
10時20分−:「友だちや先生に”わかってほしいこと”」 ―発達障害の子どもたち1000人の声から― 
報告:堀 兼大朗(中京大学大学院社会学研究科・日本学術振興会特別研究員)
(休憩)
10時50分−:シンポジウム「学校や社会は、発達障害の子どもたちの声にどう応えられるのか:
インクルーシブな社会の中で子どもたちが育つために」
・進行:辻井正次(中京大学)・伊庭葉子(さくらんぼ教室)
・シンポジスト:
 野田聖子(衆議院議員:発達障害議連会長代理)
 中根康浩(衆議院議員:発達障害議連副会長)
 田中裕一(文部科学省特別支援教育課特別支援教育調査官)
 堀田あけみ(作家・発達障害の子どもの保護者)
お申込はこちらから

3月12日の午前中にこちらのシンポジウムに参加して、午後は東海特別支援教育カンファレンスに参加するというハシゴコースはいかがでしょう?
愛知・名古屋から始まる学校教育における発達障害への取り組みをムーブメントにして、みんなで応援しましょう!

【開催告知】東海特別支援教育カンファレンス つぼみの会も登場!

さていよいよ、3月12日(土)と13日(日)に、特別支援教育にたずさわる現場の先生方が知恵を交換しあう「東海特別支援教育カンファレンス」(Facebookページ)が開催されます。
保護者の参加も大歓迎とのこと。この場で、知恵を見つけて、直接お話しを聞いたり意見交換をして、それぞれの持ち場で活かすことが目的の会です。
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3月12日には、愛知県自閉症協会・つぼみの会も、出展させていただきます。メンバーが実際に家庭や学校で取り組んできた療育を具体的に紹介します。きっと参考になるものが見つかると思います。

開催日時(会場)
・第1日 2016年3月12日(土曜日)9:30−16:20 <参加費無料>
(会場:なごや福祉用具プラザ・名古屋市高齢者就業支援センター【名古屋市昭和区御器所通3-12-1 御器所ステーションビル3・5階】)

・第2日 2016年3月13日(日曜日)9:30−16:45 <参加費1,500円>
(会場:日本福祉大学 名古屋キャンパス【名古屋市中区千代田 5-22-35】)

【当日のスケジュール】案内(PDF形式)はこちら、チラシはこちらです。
各講座の聞きどころ・見どころはこちらです。両日掲載されたチラシはこちらです。

お申込はこちらからどうぞ♪

・3月12日土曜日
http://kokucheese.com/s/event/index/365145/

・3月13日日曜日
http://kokucheese.com/s/event/index/363551/

会場でお会いしましょう。

つぼみの会からの改善要望に対する名古屋市教育委員会からの回答書が掲載されました

平成27年10月に起こった「名古屋市立中学校の特別支援学級担当教諭による生徒への暴力」について、11月17日付の中日新聞等の各種報道により、知ることとなりました。

これに対して、愛知県自閉症協会・つぼみの会から名古屋市教育委員会へ「改善要望書」を提出しました。
名古屋市教育委員会からの「回答書」が、つぼみの会ブログに掲載されました

内容について検討して、名古屋市の特別支援教育が子どもたちにとって真に良いものとなるように、私も考え、発信していきたいです。

名古屋市立中学校「体罰事件」被害者の母親からのコメント

千種区にある名古屋市立中学校での自閉症のある生徒への体罰事件(事件について:中日新聞記事)について、愛知県自閉症協会・つぼみの会から名古屋市教育委員会へ改善要望書(全文)を12月1日に出しました。

改善要望書のことを知って、被害を受けたお子さんのお母さんからカイパパ通信あてにコメントをいただきました。
何度かやりとりをさせていただき、ご自身の「コメントを公開して、親の思いをみなさまにもお伝えしていただきたい」との希望がございましたので、お母さんの承認を得て公開させていただきます。

こんばんは、はじめまして。
私は、千種区内の名古屋市立中学校で特別支援学級担任による体罰を受けた男子生徒の母です。

同級生のママ友から、この度の名古屋市教育委員会への要望書提出の件をお知らせいただきました。

ありがとうございます。
非力を嘆いて来ましたが、大きな力になって頂けたことがとても嬉しく有り難いです。

私達なりに教育委員会の教職員課へ、どの様になっているのかとお伺いをしておりますが、警察の刑罰を受けてからの処罰になるそうです。

今回息子が描いてくれて発覚した体罰の絵は2枚あるんです。
ひとつは、新聞記事にも載せていただいたげんこつの絵です。もう1枚は、机に頭をぶつけられて泣いている絵です。
身体の震えが止まりませんでした。

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げんこつだけでは無く、この行為により、頭に出来た広範囲な打撲になりました。
しかし、担任教師は、机に頭をぶつけたことを認めていません。

いつもニコニコと穏やかな息子ですが、まだまだ突然襲ってくるフラッシュバックに苦しんでいます。

学校で行なわれた体罰調査にも担任教師は他の生徒さんへの体罰を認めてはいません。

どこまで自閉症児と親を馬鹿にしているのか?
許せません。

この度は、自閉症協会さんからの息子の体罰事件について活動くださり感謝致しております。
ありがとうございます。
どうぞよろしくお願い致します。


以下は、カイパパの感想と考察です。

わたしは、机に頭をぶつけられている絵を見せていただいたとき、息をのみ、言葉を失いました。打ち所が悪ければ、重大な後遺症さえ起こしうる危険な暴力です。ご本人の痛み、ご両親のご心労と憤りはどれほどのものか……。

一方で、担任教師は、げんこつで殴ったことは認めていますが、机にぶつけた行為はしていないと否定しているとのことです。

わたしには、いずれが真実なのかを確かめるすべはありません。
ですので、一般的な話としての感想となりますが、重い知的障害のある自閉症の子どもが、「想像で」このような絵を描けるか?
わたしがこれまで自閉症のお子さんと接してきた経験から言って「想像で」描くということは考えにくいのではないか?と思います。

現在、警察が捜査中です。真相究明が待たれます。実はこれは、「知的障害のある人の証言能力」の問題(困難性)そのものでもあります。
知的障害のゆえに、記憶があいまい、証言がうまくできない、反対尋問に答えられないといった懸念から、起訴までいたらないことが多々あるそうです(※刑事罰は、起訴されて公判による判決がなければ科すことはできません)。
今回は、本人が描いた「絵」があります。この絵を「証言」としてどのように評価するのか?

今回の事件を、多くの当事者、当事者家族、支援者、市民が注目をしています。
捜査当局は、慎重な捜査を進める上で、「証言」の価値を正しく評価し、また、知的障害のある人が安心して証言できる配慮をお願いしたいです。知的障害のある人にも、適正な司法手続きの保障を求めます。

また、愛知県自閉症協会は、今回の事件を「警鐘」として受けとめ、教育委員会としての真相究明と再発防止に真摯に取り組むことを要望しています。
どうか希望と夢をもって成長できる教育環境を保障してください。よろしくお願いします。

プロジェクト部報告「みんなで学校教育(特別支援教育)を考えよう」

9月にプロジェクト部は、「みんなで学校教育(特別支援教育)を考えよう」というテーマで、学校教育にアプローチしていくための作戦会議を開催しました。そのレポートを、つぼみプロジェクト部blogで公開しました。

名古屋市の公立中学校や武豊町の町立小学校での暴行傷害事件の報道に接して、今こそ本人のための教育を考える時だと考えます。

わたしたちの提案はまだ荒削りではありますが、ご一読いただき、ぜひ一緒に考えて、変化を起こしていきたいと願っています。

・【報告】9月19日企画会議「みんなで学校教育(特別支援教育)を考えよう」
http://tubomiproject.blog.jp/archives/48336139.html
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特別支援学級の生徒殴る 名古屋市千種の中学校

これは書いておきます。

中日新聞2015年11月17日朝刊:特別支援学級の生徒殴る 名古屋市千種の中学校 50代教諭傷害容疑

名古屋市の公立中学校の特別支援学級で、担任が知的障害のある生徒をげんこつで殴り、けがをさせたという報道です。
名古屋市教育委員会は「調査中」ということで公表をしていませんでした。
学校は問題発覚後の10月28日、特別支援学級の保護者を対象に臨時の保護者会を開いて概要を報告した。しかし、通常学級の保護者への説明はなく、市教委は公表していない。市教委の担当者は「教諭らから聞き取り調査中で、事実だとしたら誠に遺憾で、処分を検討する」と話している。

障害者が被害者となった事件は、公表が遅い(されない)ことが多いように感じます。被害者が証言できないから?
この事件のように、殴った側が認めていても。

「いじめ」でもそうですが「なかった」前提で調査や対応すると「まずは隠そう」という心理が働いてしまいます。
「虐待」も同じです。「ある」前提で、調査対応をしていくことで、真実解明、原因特定、対策が可能になります。
被害を受けた生徒のケアを最優先に行うことはもちろん(同じ学級の生徒たちも心配です)、原因を解明し、再発を防止していただきたい。

殴りたくて殴る人はいないと思います。担任が指導に行き詰まり、手が出たのかもしれません。殴るにいたる前段階が必ずあったはずです。特別支援学級では、複数の教員が入っています。チームでの対応はどうなっていたのか。学校としての取り組みは?

「学校は、障害者虐待防止法の適用外だ」とよく言われます。そう聞くと「学校は虐待防止をしなくてもいいの?」と思ってしまいますがそんなわけはありません。
障害者虐待防止法29条にはこう定められています。
(就学する障害者に対する虐待の防止等)
第二十九条 学校の長は、教職員、児童、生徒、学生その他の関係者に対する障害及び障害者に関する理解を深めるための研修の実施及び普及啓発、就学する障害者に対する虐待に関する相談に係る体制の整備、就学する障害者に対する虐待に対処するための措置その他の当該学校に就学する障害者に対する虐待を防止するため必要な措置を講ずるものとする。

学校長の責任として、障害者に対する虐待を防止するため必要な措置を講ずるものとされているのです。

特別支援学級内でのチームでの対応と学校全体としてのバックアップ体制、虐待防止対策が求められています。しかし、対策を打とうにも、「虐待がある」と心のなかでは思っていても口に出せない。「ない」という前提で物事が進んでしまう。そういった職場風土が邪魔をしているように思います。

本気で虐待をなくすためには、目を背けたくなる現実があっても、直視するところから始めなければなりません。親も、教員も。訴えられない子どもたちのために。

【参考】「学校、病院が、障害者虐待防止法の適用外」ということの意味をコンパクトにポイントを教えてくれる記事です。
ノーマライゼーション 障害者の福祉2011年8月号「障害者虐待防止法の成立」佐藤彰一
2条では、前述のように、家庭、福祉現場、就労先の3種類の虐待を規定し、通報義務や対応スキームをおいているのであるが、3条では「何人も、障害者に対し、虐待をしてはならない。」と定めており、この3条に定める虐待と2条との関係をどう理解するのか整理が必要である。

本法では2条に規定する虐待を「障害者虐待」と呼ぶと規定しているが、障害者に対する虐待は、日常生活のさまざまな場面で生じていることは前述の通りであり、2条の規定からはずれる医療現場や教育現場における障害者に対する虐待を「障害者虐待」と呼べないのは、いささか日常用語とそぐわない。つまり3条に規定する障害者に対する虐待も、この法律を離れれば「障害者虐待」なのである。

「みんなの学校」批評を紹介


■「普遍的なルールを順守させる」責任を背負った教育を観て:lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/touch/20151005/1444061458

lessorさんの記事を読んで。

映画「みんなの学校」についての批評が、ようやく出てきて読めたと感じています。自分の知るかぎり、映画の感想か、批評でも激賞が多かったので。

lessorさんの根源的な問いかけが響く。

「みんなの学校」とは手段なのだろうか目的なのだろうか。

わたしは3月に観て、感想をメモったまま、記事にしていなかった。近々まとめたい。

茶話会や座談から生まれるもの

昨日のプロジェクト部の教育班のキックオフで、教育班リーダーの花島さんが「教育座談会」とネーミングしたことには意味があると思いました。

教育に関しては特に、みんな色々な経験をしてきている。挫折のなかった人はいないと思います。
だから、とてもセンシティブで、かんたんに本音を話すことができません。
「困っている」とか「こうして欲しい」とか、口にだすこともいけないんじゃないか?とまで思っている場合もあります。

「子どもを人質に取られているから」という言葉を、親同士で話しているときに、よく聴きます。

この言葉が、親の心理を象徴しているように思います。
つまり、「親が親として思っていることを自由に言ったり、行動することができない」という囚われている感覚です。

コミュニケーションが妨げられている状態に長く置かれていると、自由な心の表現がしづらくなってきます。「言ってはいけない」という禁止が、自らの中に規範として「内面化」されていくからです。

だから、「教育を良くするためにアクションを起こす」前に、この「言ってはいけない」という自らがかけてしまった鍵を解錠しなければならないのだと思います。

そのためには、テーマも「願うこと」といったふわっとしたものにして語り合ってみる場がこわばりを解くためにとても意味がありますね。茶話会や座談会のようなものを、何度も積み重ねていくことで、自由な話し合いができるようになっていけるでしょう。そうなれば、本来もっていた「力」が発揮できるようになると思います。

わたしがやりたいこと、果たしたい役割は、こういうエンパワメントなんだな。それは、ずっと変わりません。昨日も、会の最初とくらべて明るくなったみんなの顔をみて、感動をしていました。この人は、こんな表情で笑うんだなとか。変わるんですよね。

次回の開催も楽しみです。

【9月19日開催】みんなで学校教育を考えます

あさって9月19日にいよいよ愛知県自閉症協会プロジェクト部の「教育プロジェクト」が始まります。

プロジェクト部☆みんなで学校教育(特別支援教育)を考えよう
〜本人の人生を豊かに、地域の福祉・家庭を支える特別支援教育を目指して〜

詳しくはこちらをご覧ください!
http://tubomiproject.blog.jp/archives/41281215.html

初めての方も大歓迎です。傷ついている心を励まし合い、子どもたちのために踏み出す場になればと思っています。

15歳の入学式

今日はお天気も、もってくれて、桜とともに入学しました。
桜
入学おめでとう

入学式は、10分ちょっととすごく短くて、カイは終始余裕の表情でした。集合の記念撮影もひざに手をおいて撮れました。
小学部、中学部も合同だったのですが、さすが高等部の生徒さんは落ち着いていますね。

ちょうど9年前の今日。小学校の入学式でした。
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その時の記事を読み返して、いつも、カイもわたしたちも見守られている──と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
先生たちみんなが「カイ君!」って声をかけてくれたね。
お友だちも、お姉さんお兄さんたちも、とってもやさしかったね。
みんなから見守られているって感じたよ。
課題はあっても「大丈夫!」と、9年前よりも自信を持って思います。

たくましくなったカイ、新しい一歩です。

カイ、中学を卒業しました。

カイとともに登校した道を、卒業式の日は妻と二人で歩きました。入学前に二人で通学ルートを検討して決めたことを思い出しながら。

1時間半の長い式、よく耐えてがんばりました。クラスメイトのナチュラルサポートがありがたかったです。
サポートしてくれたのは、特別支援学級の同級生の女の子でした。いつも誰よりもカイのことを理解したサポートをしてくれていて、カイが頼りにしている様子が伝わってきました。感動と感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当にありがとう!

周りの親御さんたちは涙していましたが、私たち夫婦は、カイの様子にハラハラどきどき、泣くヒマはなかった(*^_^*)
息子の辛い顔をみると身が縮み、、、笑顔をみると腹の底から温かくなります。
1時間経過したあたりから、動きがアヤシクなっていましたが、なんとか最後までがんばりました。大したものです。

ひとりで壇上に上がり、卒業証書を受け取り、ぺこりと頭を下げて席まで戻れたのには、驚きました。先生方、たいへんお世話になりました。
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式が終わった後のカイのすっきりした表情がとてもよくって。切り替わってるな、と思いました。

(イヤマフは本番では取ってほしいという親の希望でしたが、ずっと練習で使ってきて、長時間の本番をカイが耐えるためには必要という判断で、着用したまま行いました。)

そして、進学先から「入学許可」の通知が届きました。
明日から、登校の練習をはじめます。
きっと大丈夫。カイは次のステージにもう切り替わっている!

カイは切り替わるときは、スパッと切り替わるから。なかなか頼もしいです。
カイは着実に成長しています。人生イヤなこともあるけれど、楽しいこともたくさんあると理解している。だから、見通しを持ってガマンもできるようになった。ママの身長を1年前に抜きました。昔から「クールな赤ちゃん」だったけど、最近は「苦みばしった少年(?)」です。

Facebookで、カイの卒業を報告したときに、本当に多くの方々からお祝いの言葉、いいね!をいただきました。カイも、わたしたちも、本当にしあわせ者です。

今、感傷よりもずっと大きな喜びがあります。いつも「次」があるから!
これからも、大切なLIFEを、生きていきます。みなさん、ありがとうございました。
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カイ3年間の結晶〜スウェーデン刺しゅう

なんと!びっくり!!

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カイの3年間の結晶です。

中学1年生から学校で始めたスウェーデン刺繍。わたしは、そんなものカイにできるわけないと思っていました。
3年かかってこのランチョンマットができました。

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下の方の荒い目は一年生の頃かな?

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上の方はピッシリ編み目がそろってる。成長の跡だね!

糸の色を自分で選んでコツコツとちくちく編んだそうです。
色の選び方に個性がでるようで、カイはカラフル好き。

きみのこと見くびって、できないと決めつけて悪かった。何度も反省してるのにダメだねぇ。
時々こうしてびっくりするような「贈り物」をしてくれる。きみの親でよかった!

「安全な託児」

卒業したお子さんを持つ親の先輩が言う。「学校があるうちはいい。行く場所があって、預かってくれる時間が長いから」と。

「安全な託児」──は、親(特に四六時中子育てに追われる母親)にとっては、はかりしれない意味がある。レスパイト(ひとやすみ)は、誰にとっても必要なものだ。

学校が、「安全な託児」の場であることは貴重だ。極論すれば、今この瞬間だけをみれば、親にとっては、それだけで価値があると言ってしまうこともできる。

だが、視点を変えて、子ども本人にとって、学校が安全な託児の場でしかないとしたらどうだろうか?

どの子にも、育つ権利がある。
権利があるとは、その子に合わせたその子なりの発達が保障されなければならないという意味だ。
子ども本人の学びの場になりえているか? 教師も親も社会も常に問われている。日々絶え間なく。

子ども本人の発達保障──
それを意識したら、「子どもは親の所有物」であるとか、「学級は担任の独立国だ」といった(無意識にある)独善が、勘違い以外の何物でもないとわかる。

目の前の、成長したがっているこの小さな人が、どんなサポートがあれば、成長することができるのか?

「安全な託児の場」にとどまっていていいわけはないし、無理やり定型サイズの靴に合わせるために指を切り落とすような矯正をしてはいけない。

親は、問われている。
教師は、求められている。
成長を助けてください。
ぼくはどんなおとなになれるのでしょうか?

プラグマティズム

アメリカのドラマ「ザ・プラクティス〜ボストン弁護士ファイル」(wiki)
シーズン2 第7話「気高き選択」より──

トゥレット症候群の少女が、「障害による行動が授業の妨げになる」として公立学校を退学になった。退学処分の取り消しを求めた裁判のエピソード。

裁判官の判決言い渡しのことばが心に残った。
いつのまにか我が国では、実用主義(pragmatism)が台頭しています。
現代もてはやされるのは、実用主義論をまくしたてる人間です。

この法廷でも見かけましたね。
「寛容な心で子どもに接したいが学校の運営もある。
周囲に有害な腐ったリンゴは取り除く。それが合理的かつ実用的な方法だ」と。

問題は、今や実用主義が、掲げた理想を実現できない際の妥協に過ぎないことだ。

非常に残念です。

学校は努力不足です。効率面だけを考えるのは十分な措置とは言えません。

校長は学校へ戻り、適切な処置をし、うまくいかなければ再度努力を。
努力を繰り返してください。

それでも手に余る時は私が便宜を図ります。

まずは可能性の幅を最大限に広げたいと思います。
学校にはそうする余地が残っています。

原告の請求(学校への復学)を認めます。

【紹介】将来を見据えて|むちゃごるぅ王国@自閉症児のいる暮らし

Twitterを始めてよかったこと。
それは、成人以降、高校生、中学生のお子さんを持つ親御さんたちと知り合えたことです。

子どもの年齢が離れている方たちと、ほぼ毎日、日々の思いをやりとりできる、そんな場はこれまでありませんでした。

これから自分たちが経験するであろう「道」を先に歩いていかれた方たち。
自閉症に対する知識が一般的ではなく、むしろ「誤解」「偏見」に満ち溢れていた時代に、
支援も自力で手探りで作り上げていかなければならなかった先輩たちに対して、敬意を感じています。

そして、現在進行形で、先輩たちも「ハッピーエンド」が見通せているわけではなく、悩みをかかえたまま(けれどもおだやかに)暮らしている現実も。

同じ時を生きる仲間なんだな、と思います。

そんな先輩たちのお話は、参考になることがたくさんあります。
今回は、成人された息子さんのいらっしゃるごるごさん@goruchan が、進学について書かれた記事を紹介します。

・将来を見据えて|むちゃごるぅ王国@自閉症児のいる暮らし
http://ameblo.jp/muchagoruu/entry-10791006401.html

・将来を見据えて つづき|むちゃごるぅ王国@自閉症児のいる暮らし
http://ameblo.jp/muchagoruu/entry-10791827031.html

記事は「批判覚悟で」と書いていらっしゃるとおり、厳しい内容です。私も考えさせられました。

ごるごさん自身がコメントされていることばを添えておきます。
間違いかどうかなんて
わかんないよね?
私だってずっと悩んでる。
でもね、
親が子どもの事を一番に考え、必死で悩んで出した結論だったら大丈夫だと思うの。

誰かをあてにしたり
今までの在り方を頭に入れての考えや
支援ありきの感覚だと
どこかでヒビが入ってくると思う。

その時どう修正できるかなんだよね。

明日見学:久里浜養護学校と国立特殊教育総合研究所

■明日見学:久里浜養護学校と国立特殊教育総合研究所

★見学に行ってきます!

 明日仲間たちと一緒に、横須賀市にある筑波大学附属久里浜養護学校国立特殊教育総合研究所の見学に行ってきます。

 久里浜養護学校は日本初そして唯一の自閉症専門の養護学校です。

  国立特殊教育総合研究所は、その名のとおり、特殊教育のナショナルセンターです。教材の研究開発も行っており、サイトを利用された方もいらっしゃるのでは?

 久里浜養護学校と研究所は地理的にも隣接していて、それぞれ研究と実践で連携しあっているのだろうと思います。

★「聞きたいこと」コメント募集

 私は、以前からぜひ訪問したかったのですが今回実現してとてもうれしいです。

(1)「今どこまで自閉症教育の研究と実践が進んでいるのか」
(2)「成果を、これから全国にどのように普及させていく計画か(「標準化」のことや専門家養成など)」

といった視点でお話を聞いてきたいと思います。

 愛読者のみなさんで、「こんなことを見て、聞いてきてほしい」ことがありましたら、11月10日午前5時までにコメントしてください。

ウォーリー出前授業、中日新聞に掲載!

■ウォーリー出前授業、中日新聞に掲載!

 こうままさんに先を越されました(姉さん、Trackbackできるようになったね!)が、今日の中日新聞「くらし」面に、この記事で紹介した、ウォーリーさん(38)の出前授業が大々的に紹介されています!!

 カラー写真入りで、「授業の紹介」を通じて、自閉症の特性も伝わる見事な記事です。中日新聞の中部9県共通の紙面だそうです。まだ中日新聞ウェブには掲載されていませんが、掲載を強く希望します!

 職場の先輩が朝「そういえば今日、新聞に出ていたね。読んで、自閉症のことがよくわかったよ」と言ってくれたのがすごくうれしかったです。

 ウォーリー、君は父親の☆だ! まぶしいよ!

【関連記事】
・ウォーリーのつぶやき: 新聞の効果
http://helper-1610.cocolog-nifty.com/hysa/2006/06/post_6060.html

 本人の感想です(^^) 既に反響大きいみたいです。

・こうくんを守れ!!!: ビバ・伝道師♪
http://koumama.seesaa.net/article/19624978.html

 8月に開催される「自閉症理解キャラバン隊」の予告もチラリとあります☆
 このイベントについては、案内の準備が整い次第、TP BLOGなどで告知させていただきます。

・歩いていこうよ〜with a smile〜:伝道師
http://blog.livedoor.jp/uta1217/archives/50896329.html

 snowさんのblog。記事の写真があります。

・ジョーの発達障害サポート研究室☆: ■【中日新聞】「自閉症理解へ出前授業」として掲載されました!【2006年6月22日追記】
http://tamago-picture-world.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_b284_1.html

 今回の授業のプロデューサー、ジョーさんの感想。スキャナした記事を読めます。

【過去記事】
・ウォーリーの「自閉症理解のための体験授業」
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50629092.html

ウォーリーの「自閉症理解のための体験授業」

■ウォーリーの「自閉症理解のための体験授業」

 火曜日に父親部の仲間ウォーリーさん(blog)とジョーさん(blog)と久しぶりに語り合いました。ウォーリーさんは、父親であると同時に、ホームヘルパーでもあります。

 ウォーリーさんが講師をつとめる「自閉症のための体験授業」が、ジョーさんのお子さんの通う小学校で開催された機会に、私は授業参観はしていませんが、終了後の反省会に参加させてもらいました。

・ジョーの発達障害サポート研究室☆: 【キャラバン】自閉症理解のための体験授業
http://tamago-picture-world.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_e029.html
 この授業は、自閉症の人たちがその特性故に日常的に困っているであろう状況を、実際に普通学級の子ども達にも疑似体験してもらうことで、見た目では分かり難い苦手や発達障害を、広い意味で正しく理解してもらう。そして、そのサポートの仕方についても学べるように工夫した啓発目的のスペシャル授業です。
 5年生に対する授業は、客観的評価には定評のある(おべんちゃらを言わない)ジョーさんが「100点満点の出来だった!」と絶賛する素晴らしい内容だったそうです。

 ウォーリーさん自身の報告もアップされています。

・ウォーリーのつぶやき: 大伝道師への道 「小学校児童」編
http://helper-1610.cocolog-nifty.com/hysa/2006/06/post_832b.html
今回は、小学校5年生と4年生対象で、しかもダブルヘッダー(1・2時限目が5年生、3・4時限目が4年生)です。
いつも、講演前日はすごく緊張するのですが、今回は今までで一番緊張したかもしれません。児童相手となると、言葉やパフォーマンスにもかなり気を遣いますので・・・。
 ウォーリーさんの授業は、これで20回目くらいになるそうです。「こういう機会を与えてもらえることに、すごく感謝している」と熱く語る彼を見て、胸の深いところから感動しました。2003年3月15日の「つぼみ父親部キックオフ会」で初めて会って以来、ウォーリーさんは目を見張るようなモデル・チェンジをくりかえし、すげーかっこいい男に変貌をしました。

 3人で話をしていて、「おれもがんばろう」と前向きなエネルギーがわきあがってきました。仲間っていいな、と改めて思いました。

 ウォーリーさんのblog「ウォーリーのつぶやき」は、更新頻度も高く、支援者と親の両方の立場を持つ彼ならではの視点が読めます。こちらもおすすめですよ!

【2006年6月16日追記】
・ジョーの発達障害サポート研究室☆: 【キャラバン】自閉症を通じて苦手や障害について考える授業
http://tamago-picture-world.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_f6b6.html
 ジョーさんの「授業参観レポート」です。

【注目記事】養護学校、自閉症の小学生2.3倍に(1986年比)

■【注目記事】養護学校、自閉症の小学生2.3倍に(1986年比)

 注目記事の紹介です。

・日本経済新聞(2006年6月11日)社会面
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060610STXKG026510062006.html
■養護学校、自閉症の小学生2.3倍に・86年比
 全国の知的障害養護学校で、2004年に自閉症と診断された子どもの割合が前回調査の1986年に比べ、小学部2.3倍、中学部1.9倍になったことが10日、国立特殊教育総合研究所の調査で分かった。

 「自閉症の疑いあり」を含めると、在籍率は小学部48%、中学部41%に達したが、自閉症の特性に応じた指導を学校や学部全体で進めているのは24―26%にとどまっており、対応の遅れが浮き彫りになった。

 同研究所は「自閉症の子どもの教育は知的障害とは別に考えるべきだ。個々の教員に頼るのは限界があり、指導のノウハウを共有するなど組織的対応が緊急の課題だ」と指摘している。

 調査は2004年夏に全国の盲・ろう・養護学校を対象に実施。91%から回答を得た。

 このうち、知的障害養護学校小学部で自閉症と診断された子どもの割合は、86年の調査時に15%だったが04年には34%に。中学部でも14%から27%に増えた。「疑いあり」も含めた04年の在籍率は高等部25%、幼稚部は69%で、全体では35%だった。〔共同〕 (23:29)

【関連サイト】
・独立行政法人 国立特殊教育総合研究所
http://www.nise.go.jp/
 記事になった調査報告は、まだサイトに掲載されていないようです。

 発達障害者支援法が生まれた必然性を裏付けるデータですね。

 私の体験でも、カイが通っていた知的障害児の通園施設では、5割くらいが自閉症でした。

 通常学級での広汎性発達障害の疑いのある児童生徒の増加、特殊学級在籍生徒の増加、そして養護学校では、自閉症スペクトラムの濃い部分の層の増加。自閉症・発達障害の絶対数が増加しているのか、診断技術が向上したために診断のついた数が増加したのか、議論はありますが、障害特性に合った支援の必要が高まっています。

 国立特殊教育総合研究所の指摘――「自閉症の子どもの教育は知的障害とは別に考えるべきだ。個々の教員に頼るのは限界があり、指導のノウハウを共有するなど組織的対応が緊急の課題だ」――のとおりです。研究所には、連携機関である筑波大学附属久里浜養護学校(平成16年4月1日から知的障害を伴う自閉症児対象の専門学校となった)の研究成果を全国に展開していくことを期待しています!

特別支援教育に関する国の施策リンク集

■特別支援教育に関する国の施策リンク集

 昨日の記事で、自閉症に対する総合的な政策への取り組みが始まったことを紹介しました。

・自閉症などの早期発見や支援、政府・与党が総合対策を検討
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/371264.html
 自閉症スペクトラムの子どもをもつ親たちにとっては、知的障害を認めてもらえない、高機能自閉症やアスペルガー症候群の存在は常識化していました。
「対策が遅すぎる」という声もあります。が、ここで「なぜ今、政府が思い腰を上げたのか?」を考えておく意味があります。
 私は、文部科学省が実施した2002年に実施した実態調査の効果だと考えます。

 どうして今大きく動き始めたのか? 私は「文部科学省の実態調査がターニングポイントになっている」と解説しました。
 しかし、実態調査は突然思いつきで実施されたわけではありません。「どのような流れで、政策を動かしてきたのか」について、文部科学省の動きをまとめてみました。
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【教育】特別支援教育 言及ブログ

■【教育】特別支援教育 言及ブログ

【教育】LD児支援など検討へ 盲ろう養護学校見直しも 2004年2月19日記事
に関連して、特別支援教育について言及したブログをBulkfeedsで検索し、カイパ
パのフィルタを通したリストにしました。
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障害者差別発言で児童が不登校になった小学校の校長自殺

■障害者差別発言で児童が不登校になった小学校の校長自殺

障害者差別発言で児童が不登校になった小学校の校長自殺@朝日新聞 2004年2月20日
 20日午後4時40分ごろ、奈良県天理市の市立小学校の校長(60)が自宅近くの墓地で、首をつって死んでいるのを校長の妻が見つけ、110番通報した。同小では、昨年5月に担任の男性教諭が授業中に障害者を差別する発言をしたことがきっかけで、養護学校に姉が通う3年の女児が不登校になっていた。遺書は見つかっていない。天理署は、これらの問題解決に悩んで自殺したのではないかとみて調べている。
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【教育】LD児支援など検討へ 盲ろう養護学校見直しも

 気になるニュースをクリップ!

■LD児支援など検討へ 盲ろう養護学校見直しも (共同通信) 2004年2月17日
 河村建夫文部科学相は17日の閣議後会見で、学習障害(LD)や注意欠陥多動性
障害(ADHD)などの子どもに対する支援を検討するほか、現在の盲・ろう・養護
学校制度を見直すため、中央教育審議会に特別委員会を設置する方針を明らかにし
た。

 特別委は今月中に設置、夏ごろの中間報告を経て年内に答申する見通し。

 河村文科相は「LD、ADHDを含め障害が多様化しており、障害がある児童生徒
の教育の充実が必要」と述べた。

 検討される課題は(1)障害種ごとに合わせた現在の盲・ろう・養護学校を、障害
の重度、重複に合わせた制度へ転換(2)通常学級にいるLDやADHDなどの児童
生徒への支援(3)教員免許制度の転換─など。
 これだけでは何のことだかわかりませんね。
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【差別発言】担任教諭が小3女児に 半年以上も不登校 奈良

■【差別発言】担任教諭が小3女児に 半年以上も不登校 奈良

Yahoo!ニュースの報道←こちらの方が詳細。
朝日新聞の報道
 奈良県天理市の市立小学校で、3年生の学級を担任している男性教諭(47)が昨年5月、障害者を差別する発言をし、姉が養護学校に通っている女児(9)が不登校になっていることが分かった。

 学校によると、養護学校との交流授業の事前学習の中で、教諭は「養護学校の生徒にはよだれがついていることもあるが、犬や猫のよだれに比べてまし」という内容の発言をしたという。

 この事件については、 ■【虐待】市立小学校の男性教諭が差別発言で不登校■@TamagoBlog-It's a picture world-をお読みください。カイパパは全面的にTamagoさんに賛同します。
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