カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

カイ

カイの絵が作品に〜ディセーブルド・アーツ・チャリティー展

「カイの絵が作品になる?」お話を聞いて、耳を疑ってしまいました。
お世話になっている放課後デイサービスで絵を指導をしてくださっている先生が、チャリティー展示会を企画されたのです。

「ディセーブルド・アーツ・チャリティー展」
8月にクラウドファンディングが実施されていました。
全国の障がい児の施設(主に放課後等デイサービス)に通い、子どもたちと一緒にお絵描きをして その絵を持ち帰り、その絵の個性を尊重しながら、手を加え、作品として完成させます。

このプロジェクトでは、 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・熊本・沖縄と7都市でそれら作品を集めた展示会を行います。展示会では、障がい児をはじめ障がい者の方にも会場に足を運んでもらい、出来る事で良いので手伝ってもらおうと思ってます。


10月12日から17日まで丸栄8階催事場で開催しています。


いったいどんな作品になっているのか、見てきました。
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なるほど。ベースとなっているカイの絵に先生が描き加えて作品になるのですね。

虹を昇る龍です。

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こちらは妖しい感じ。色使いが味わい深いです(親バカ)

本当に作品になっていました。よかったら、見てやってください。

カイの充電

カイは基本クールで、私が同じ部屋にいて何をしていても無関心。

でも、たまに(本当にたまに)突然寄ってきて、顔をぐいっと引き寄せ、ほおとほおをくっつけてくることがある。

私が逃げようとすると、がっちりと両手でロックして逃さない。そのまま無言で密着。

3分くらい経って解放される。
カイは元いたソファに戻る。心なしか満足げな表情で。

テレパシーは使えなくても、顔をくっつけあっている間、愛してると伝わってくる。心も身体もあたたかくなる。

カイの充電、私の充電。

頼みの綱は、人への信頼

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ネットを見ていて、今や自閉スペクトラム症のある人への視覚支援の有効性は常識となったのだなと感慨深いものがあります。

視覚支援──たとえば絵カードやスケジュールを練習して使えるようになることで、わかる方法で認知を助け、見通しを持って自ら動けるようになります。(この「練習する」ことが抜けて、なんでも絵にして見せれば通じるだろうと乱暴なことをして失敗する例も多いようですが)

専門家ではない、ごく普通の親が「こんなふうにやってみたらうまくいきました!」と報告されているのを見て、心があたたかくなります。

でも、子どもがまだまだ幼くて、あるいは知的障害が重い場合や、そうでなくても「初めてのこと」をあらかじめ伝えることは難しいですね。たとえば、病院での検査とか。(理解したとしてもイヤなものでもあります)

近頃のカイを見ていて思うのは、イヤなこと、不安なことに耐える、がまんすることができてきたのは、「個別具体的な見通し」があるからというより(なかなか提示しても理解が難しい場合が多い)、「この人がすることなら、ひどいことにはならないだろう」という特定の「人への信頼」を頼りにしていることがわかります。

それは、親であったり、日々関わってくれるヘルパーさんであったり、学校の先生や病院の看護師さんだったりします。

「前にもこの人が一緒の時に、イヤなこと、痛いことをされた。だけど、それはそんなにひどいことにはならなかった」という体験の積み重ねが(ものすごく時間をかけて)人への信頼につながっています。

数年前のことですが、カイが「○○歯科、いく」と歯を指差して自分から言いました。歯医者で暴れてもがいて逃げようとしてきた彼が、「歯が痛い→歯医者で治療する(痛いけど)→歯が痛くなくなる」因果をつかんで、自ら選んだ。びっくりして、感動しました。

(見通しを持つツールの練習や活用、意思の尊重は前提として)
イヤなことでも、この人がついていてくれたら、だいじょうぶ。
そう思える人を、これからも増やしていきたいです。

こどもの日に想う Wonder Kai

うちのカイは今年17歳になる。ゆうべ妻と二人で昔のアルバムを見ていて。静止したカイはとにかく愛らしく。「どうしてあんなにたいへんだったんだろうねぇ?」と話していた。たいへんなことは写真にとれないから? 写真の中で輝いている彼をみることを、老後の楽しみにしようねと。
aokoikai
初こいのぼり カイ10か月

「カイパパ」は親目線でみて考えて発信してきた。語ってきた自閉症の苦しみは「親が感じる苦しみ」だった。それをクチに出して、ひとに聞いてもらうことが親にとっての癒しになることは事実。でも、わたしの親が「おまえは大変だった」と他人に触れて回るのを、わたしが聞いたらいい気はしないよね。

大人になっていくカイを、祝福したい。おとうさんはおとうさんなりに時を積み重ねて、きみがきみであることのWonderを心の底からわいてくるよろこびとともに抱きしめることができるようになったんだ。「◯◯だから」とか「XXだけど」とかそういう留保無しで。カイはさいこー、唯一無二愛してる。

3 of Us

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桜に見守られ夜のおさんぽ


Mさんは恩人

Mさんは、カイの最初のヘルパーだった。6歳のときからずっと見てきてくれた。
一番たいへんだったときに、わたしたち家族を支えてくれた。
その彼が、郷里に帰る。今日は家族であいさつにきてくれた。

間が悪いことに、わたしも妻も風邪を引いてしまって、ちゃんと名残を惜しむことができなかった。
でも、たくさんのことばよりも、思いは通じあっている。

私たち夫婦の会話で、「二人とももし死んでしまったら、カイを誰に託す?」という問いが出たときに、二人とも迷わず「Mさんに」と思った。
他人だけど他人じゃない。カイを弟のように思い、育ててくれた。

責任感が強い彼は、今、自分の家族のために、名古屋を離れる決断をした。
とても、さみしい。近くにいなくなることを心細く思う。

彼ともし出会っていなかったら、わたしたち家族は今のようには暮らせていなかった。
Mさんはわたしたちの恩人。そして、わたしたちの家族。
東北に、親戚ができたと思おう。いつか、カイを連れて会いに行こう。

記憶の強いカイはMさんを決して忘れないよ。水曜日にはきっと要求するね。
だけど、カイは、Mさんのおかげで「信頼すること」を覚えたから。大丈夫。また会えるから。


カイパパ本の出版記念パーティーのときに、初めてのロングケアにMさんとカイが二人して旅立つ姿を、今でもありありと思い出せる。あのときから、11年。

他人を信じて託す気持ちを、Mさんが教えてくれました。
Mさん、本当に本当にありがとう。これからも「家族」でいてください。

夜回りカイくん

散歩とブログ毎日更新がいい感じで続いています。

おさんぽコースは、だいたい3パターンあって、一番頻度が高いのが「近所のスーパーパトロールコース」です。

スーパーに着くとカイはカゴを自分で取り、やる気満々。でも、買い物をするのではなく、陳列棚の中で「迷子」になった商品を見つけて「あるべき場所」に戻すのが彼のルーティン。

ほんとに目ざとく見つけて! これまた「あるべき場所」をよく記憶しているんですよね。

この前ちょっとこまったのが、季節限定の「栗キャラメル」。

野菜売り場に「栗関連の特設コーナー」ができていて、その中に「栗キャラメル」もありました。

ですが、1個しかなくて、品名の表示もない。いかにも「迷子」っぽい様子。おまわりさん(カイ)は、すみやかに「栗キャラメル」を保護しました。そして、お菓子コーナーへ急ぎます。
ところが、キャラメルコーナーには定番商品以外はなく居場所が見つかりません。

ぐるぐるお店をふた回りくらいして、やっぱり最初の栗特設コーナーが居場所だろうと(わたしが)判断しました。

カイは不満げでしたが、保護したつもりが誘拐になってはいけないので、おさめてもらいました。
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これです! 画像は森永商品紹介ページからお借りしました。

おれは花嫁の父親かっ

最近も夜のお散歩つづいています。だいぶ涼しくなりましたが、いいペースでカイが歩くので、帰る頃には汗が出てきます。だいたい1時間ぐらいでしょうか。

「決めごと」の多いカイは、わたしと歩く時は必ず手をつなぐ、のではなく、
ひじをあげた腕と腕を組むスタイルを強要してきます。

まるでヴァージンロードを歩く花嫁の父親のよう。

いつか「決めごと」も変わっていくと思うので、とりあえず「味わい尽くす」ところまでつきあいます。肩がこるんですけどね。

157cmのエヴァンゲリオン

近頃のカイは日に日にたくましくなっていって、肩なんか筋肉がついて、力こぶもできる。
けれども腰はきゅっとしまっていて、何かに似ている──

そう。エヴァンゲリオン! 
あんな猫背じゃないし、ちっこいけど。

157cmのエヴァンゲリオン。

【日記】夜の公園

夜のお散歩で、今日は珍しくカイが公園で遊びたがりました。

ぶらんこに、わたしも乗って、となりあわせでぶらんぶらん。ひさしぶりの浮遊感。気持ちよかったです。

なつかしい、ような気がするが、実際にカイが公園で遊べたことはごく少ない。
それでもよみがえるのは、数少ない大切な楽しい思い出だ。

今日のことも、覚えておこう。
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味わい尽くしてから、『次』に行ける

こうままブログは、毎回書かさず読んでいます。
最近のこの記事には、「そうだ! そうなんだよ!!」と共感しました。

・こうくんを守れ!!!:ばあちゃんは偉大
http://koumama.seesaa.net/article/423701047.html

こうくんはビニールを伸ばすのが最近好き。ある日黒ビニール袋を10枚くらい伸ばしていた。それを見てのこうくん家でのやりとり──
帰宅して夕食をとっているこう父に
「今日は黒いゴミ袋を大量に粉々にしてるけど、私がうまく量を制限できなかったせいだから怒らないでね」と言ったら
「怒るに決まってるだろ」と言う。
「まぁ、そりゃそうなんだけど、怒っても意味ないし」
「じゃ、ほっとくのか?専門家として今後どういう対応するつもり?」といぢわるを言う。
「今日は3枚、とか制限できるようになればいいんけど、それが難しくて・・・」
とかやっていたら
ばあちゃんが
「なんだかよくわからんが、安いおもちゃじゃないか」
・・・・・・
終了のゴング。

「なんだかよくわからんが、安いおもちゃじゃないか」──まさに。

自閉度と知的障害が重い人の場合、「楽しいこと」を見つけることが難しいです。だから、ひとたび見つけた「数少ない楽しいこと」に執着するのも自然なことです。
でも、周りから見たら、「物の本来ではない使い方」だとか「こだわり」だとか、このままじゃいけないんじゃないかとヒヤヒヤして禁止をしたくなります。

でもって、この記事を読んで思い出したのが、2013年12月に参加したグループホームの勉強会での戸枝さんのお話(→レポート記事はこちら)。
ノースカロライナ州アルバマーレ市でみたグループホームの一室のエピソードを紹介したい。
壁が全部「黒板」の素材になっていた。お絵かきが好きな人が入居。描きたいだけ描いて、「味わい尽くしたら堪能して次へ進める」という方針にもとづいている。
「描けないように禁止する」発想ではない。

「味わい尽くしてから、『次』に行ける」

カイも、嗜癖のようにこだわりが続くんだけど、半年とか1年ぐらい経つと、「味わい尽くし」たのか、ぴたりとやめることがあります(そして、『次』のこだわりへ行くのだけれど)。

他害や自傷につながるものでなければ、やめさせようとするより、「味わい尽くす」ところまで見守るほうがいいのかなと思います。
もちろん、楽しみの幅をひろげるトライは続けながら。

夏ばてカイ

最近のカイは朝の食がすすまない。夏ばてみたい。

食べることが一番の彼にはとてもめずらしい。というか人生初。

少し食べて、食休みして、もう少し食べて、最後はデザートのヨーグルトやゼリーを返品する。

こんなところも、大人になったなあと実感します。

【カイ】伸びざかり

近ごろ起きると毎朝カイの背が伸びている気がします。
16歳伸びざかり。あと1年もしないうちに、身長はぬかされそうです。
足の長さはすでにぬかされていますが。

感心するのはカイの姿勢の良さです。わたしが猫背なので。似なくてよかった。
骨のほそさと眉毛の太さと似ているところはあれど、
「かなわないな」と思うことが多々あります。

なんというか──人間としてすごいなと思うことがよくあるんです。
一緒に時間を過ごすとわかると思います。
ひとから好かれるんですよね。ありがたいことです。

Happy Birthday! 16歳になりました

今日はカイの誕生日です。
みなさんからたくさんの愛をいただいて、16歳になりました。
昨年は、わたしが体調を崩して祝うことができなかっただけに、今年一緒に祝うことができて本当にうれしい!!

カイは高等部に入って、毎日電車通学になり、たいへんかな?と心配もしましたが、本人はむしろ誇らしげで。「高校生になった」と胸を張っているように見えます。一学期は1日も休まず、元気に通いました。

最近のブームは、逆さ言葉です。

「オデビ・ムーホーニズデ」
「オデビ・ムーホーニズデ」
「オデビ・ムーホーニズデ」

呪文のように訴えてくるのが、さっぱりわからなかったのが、ある日妻が「わかった! 逆さまに言ってる!!」と謎をときました。ディズニーホームビデオ!!

やっぱり、カイの頭のなかには、文字(映像)で、記憶されているんですね。記憶の文字を逆から読み上げているんだと思います。
なぜそんなことを思いついたのかはわかりませんが、少ない言葉をくふうして、楽しんでいるようです。不思議です。

この夏休みは、早くも作業所を回って体験をしていきます。卒業後の進路のために今から動かないといけないそうです。カイには楽しみながら、選んでもらいたいと思っています。きっといい出会いがあるよね。
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ダフト・パンクみたい(笑)

【日記】木の香り

養護学校(名古屋市では特別支援学校を今でもこう呼ぶ)高等部に入学したカイ。
レベル別で教えてくれるのが、とても合っているのでしょう。とても元気にうれしそうに毎日通っています。

大好きなのは「作業」の火曜日。一日作業訓練(ものづくり)をする。
園芸・紙工・手工芸・縫製・織物・窯業・木工と数ある中で、カイが何を選んだかというと──

木工でした。

とても意外でした。さおり織りやスウェーデン刺しゅうは経験があるから、それかな?と予想したのですが、木工が一番気に入ったようだという先生の見立てを信じて、木工を選択。

のこぎりの音も気にせずに、やすりをかけたりしているらしい。
どうやら、けずった木の香りが好きみたい。
そうか。カイはにおいフェチだけど、木の香りも好きだったのか。

とにかく火曜日はウキウキで、先週は駅の階段でスキップして足をぐきっとやってしまい、一気にブルーになったりしたほどです。

好きなことで少しずつスキルアップできるといいな、将来につながるといいな、なんてついつい期待してしまうけど、まずは、好きなことが増えにくいカイに好きなことが増えたことをよろこびたい。

見つけてくれた先生方に感謝です!

【日記】トントントントン

トントントントン ひげじいさん
トントントントン こぶじいさん
トントントントン てんぐさん
トントントントン 手は上に

10数年前に保育園で習った手遊びうたを、今になって急に歌い出すカイ。
当時は、無反応だったのに
記憶は不思議だ。

トントントントン 手は上に

かわいらしい声
幼いカイが、今の姿に重なる。

15歳の入学式

今日はお天気も、もってくれて、桜とともに入学しました。
桜
入学おめでとう

入学式は、10分ちょっととすごく短くて、カイは終始余裕の表情でした。集合の記念撮影もひざに手をおいて撮れました。
小学部、中学部も合同だったのですが、さすが高等部の生徒さんは落ち着いていますね。

ちょうど9年前の今日。小学校の入学式でした。
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その時の記事を読み返して、いつも、カイもわたしたちも見守られている──と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
先生たちみんなが「カイ君!」って声をかけてくれたね。
お友だちも、お姉さんお兄さんたちも、とってもやさしかったね。
みんなから見守られているって感じたよ。
課題はあっても「大丈夫!」と、9年前よりも自信を持って思います。

たくましくなったカイ、新しい一歩です。

カイ、中学を卒業しました。

カイとともに登校した道を、卒業式の日は妻と二人で歩きました。入学前に二人で通学ルートを検討して決めたことを思い出しながら。

1時間半の長い式、よく耐えてがんばりました。クラスメイトのナチュラルサポートがありがたかったです。
サポートしてくれたのは、特別支援学級の同級生の女の子でした。いつも誰よりもカイのことを理解したサポートをしてくれていて、カイが頼りにしている様子が伝わってきました。感動と感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当にありがとう!

周りの親御さんたちは涙していましたが、私たち夫婦は、カイの様子にハラハラどきどき、泣くヒマはなかった(*^_^*)
息子の辛い顔をみると身が縮み、、、笑顔をみると腹の底から温かくなります。
1時間経過したあたりから、動きがアヤシクなっていましたが、なんとか最後までがんばりました。大したものです。

ひとりで壇上に上がり、卒業証書を受け取り、ぺこりと頭を下げて席まで戻れたのには、驚きました。先生方、たいへんお世話になりました。
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式が終わった後のカイのすっきりした表情がとてもよくって。切り替わってるな、と思いました。

(イヤマフは本番では取ってほしいという親の希望でしたが、ずっと練習で使ってきて、長時間の本番をカイが耐えるためには必要という判断で、着用したまま行いました。)

そして、進学先から「入学許可」の通知が届きました。
明日から、登校の練習をはじめます。
きっと大丈夫。カイは次のステージにもう切り替わっている!

カイは切り替わるときは、スパッと切り替わるから。なかなか頼もしいです。
カイは着実に成長しています。人生イヤなこともあるけれど、楽しいこともたくさんあると理解している。だから、見通しを持ってガマンもできるようになった。ママの身長を1年前に抜きました。昔から「クールな赤ちゃん」だったけど、最近は「苦みばしった少年(?)」です。

Facebookで、カイの卒業を報告したときに、本当に多くの方々からお祝いの言葉、いいね!をいただきました。カイも、わたしたちも、本当にしあわせ者です。

今、感傷よりもずっと大きな喜びがあります。いつも「次」があるから!
これからも、大切なLIFEを、生きていきます。みなさん、ありがとうございました。
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大みそか恒例行事

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グレートバリアリーフ!

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ではなくて──をモデルにした名古屋港水族館「サンゴ礁の海」

大みそか恒例のカイとの名古屋港水族館詣でに行ってきました。生きているサンゴの飼育はとっても難しいそうです。動いている色とりどりのサンゴはとっても幻想的でした。
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2014年たいへんなことがあったけれど、こうして恒例行事を行うことができて本当によかった。また来年もヨロシクね♪

カイ3年間の結晶〜スウェーデン刺しゅう

なんと!びっくり!!

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カイの3年間の結晶です。

中学1年生から学校で始めたスウェーデン刺繍。わたしは、そんなものカイにできるわけないと思っていました。
3年かかってこのランチョンマットができました。

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下の方の荒い目は一年生の頃かな?

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上の方はピッシリ編み目がそろってる。成長の跡だね!

糸の色を自分で選んでコツコツとちくちく編んだそうです。
色の選び方に個性がでるようで、カイはカラフル好き。

きみのこと見くびって、できないと決めつけて悪かった。何度も反省してるのにダメだねぇ。
時々こうしてびっくりするような「贈り物」をしてくれる。きみの親でよかった!

合唱大カイ

中学最後の合唱大会を観に行きました。
今回は舞台上で先生は付かないと聞いていたので、どうなることやら…

おっ、ステージにあがる。クラスメートと一緒に、同級生が手を引いてくれている。おとなしくついていっている。

ひときわ目を引くのが、黄色いイヤーマフ。今まではステージにはイヤーマフをつけてあがっていなかった(そのかわり、歌の間、手で耳ふさぎをしていた)。たしかに、カイにとっては歌声はうるさすぎる。先生、思いきったな。

イヤーマフのおかげか、表情に余裕があった。耳ふさぎもしなかった。

歌の最後まで、先生が出てくる必要はなく、ほほえみながらそこにいられた。
これまで合唱大会ではいろんな、ユニークなことをしてくれたから(全部いとおしい思い出だ)成長したなとじんわりあたたかい気持ちになった。

イヤーマフつけての合唱大会も十分ユニークなんだけど。必要な配慮を受けた参加だから、わたしはうれしかった。

時々、空に文字を書く姿が、まるででかいヘッドホンつけたDJがレコード回すみたいだった。
イヤマフ

しあわせな白紙〜障害がわかるまでの2年間


「定型発達の赤ちゃんが到達する発達段階(の時期)との比較で、自閉症スペクトラムを早期発見しましょう」という親向けの動画(英語)です。
わが子の昔の姿に、いちいち当てはまって、うなずいてしまいました。

わたしたちの場合──

・2歳の時の健診まで、「やたらと育てにくい」とは思いながらも、「障害」を疑ったことは1ミリもなかった。
・初めての子だということもあり、定型の発達段階も全く意識していなかった。
・ナチュラルボーン親ばかなので、「大器晩成」「男の子は言葉が遅い」「こんなきれいな顔をしている」と心配はしていなかった。

あれだけ典型的な自閉症の症状を示していたのに、「知らないとこうなんだな」とふりかえって思いますが、わたしたちの場合は、「これでよかった」と今は思うのです。

障害がわかるまでの2年間。苦労はしたけれど、希望も持って、愛し、育んだこと。「障害」に注目するのではなく、「カイ」そのものを見つめてきたこと。
それは、わたしたち家族にとって、かけがえのない財産です。

今は情報があふれ、ネットでも「自閉症チェックリスト」のたぐいが目に飛び込んできます。昔のように、「しあわせな白紙」の状態で子育てを始めることは難しいかもしれません。
大切なことは、わが子をわが子として見つめ、愛を育むことだと思います。愛は、初めからそこにあるものではなくて、0歳から日々少しずつ育っていくものだから、親と子の間のストレートな関係を阻害するものは、少ないほうがよいと思うのです。

もっとも、「極端に育てづらい」原因が障害にあることを知らずに、親が自分の育て方の問題だと追い詰められ、思いつめてしまう危険性もあります。また、環境整備が遅れ、不適切な関わりを続けられることは、子どもに対する(意図せぬ)虐待です。だから、難しいのですが…。わたしたちの場合でもこれが2歳ではなく、3歳だったら? 4歳だったら?──

過剰な情報に惑わされずに、わが子を「観る」こと、
それは親だけではとても難しいので、伴走してくれるサポーターがいてくれたらいいですね。
他に二人といない、いろいろなものをあわせもった特別なわが子を、育めるように。
カイ ミニカーを整列
ミニカー整列!(過去記事

人生の午後2時

自分の歳を3で割ると、「人生の何時」かがわかるという簡単な方法があって。
生まれてから死ぬまでを24時間で換算(0歳=0時〜72歳=24時)するというわけ。

18歳で、やっと朝の6時。夜が明けて、活動本番。子どもが成長する年代を「眠っている」とたとえているようで、味わい深い。
72歳は、日本人の平均余命からすると少し短め(特に女性は)だけど、それ以降は「夜ふかしタイム」と思えばいいのかな? なかなかイメージのしやすい換算法だ。

わたしは42歳なので、3で割ると14時になる。午後のピークタイム、働きざかり。
午前中にやった仕事の成果も出始めていて、信頼できる仲間も増えた。
ちょっぴり疲れも感じ始めているが、あと5〜6年はそれほど心配はなさそう。

その後には、黄昏時がやってくる。なんだか、近ごろ時間がすぎるのがとても速い。
チクタクチクタク──
「やったほうがいいこと」に取り囲まれているけど、やっぱり、いちばん「大切なこと」を成し遂げるため、「やらないこと」を切っていかないといけないね。

カイはもうじき朝の5時。「これから」です。
我慢とか悔しさだとかつらいだとか、そんなことは減らして、
楽しい、うれしい、青春を謳歌して欲しい!
summer

生きていく

あたりまえのことなのだ
生きていくのだ
若い命は、伸び伸びと
老いた者は、さきに消える
消える定めの者が、わぁわぁと嘆き
かなしみ、心配し
若い命を、覆い隠してはいけない
おてんとさまの光をあびて
生きていくのだ
「ナントカの亡き後」とか
命には関係ないのだ
あたりまえに
生きるだけ生きていくのだ

角を曲がると

朝カイを学校へ送る道中、
角を曲がると、スイッと歩く位置を変える。
わたしをはさんで、車道の反対側へ移る。

幼い頃、散歩を始めた時から、親とヘルパーさんが、カイが車道の反対側を歩くように教えてきた。

角を曲がると、スイッと変えるんだよ。必ず。
律儀に。

合唱大会で考えた

今日は、カイの中学の合唱大会でした。
ホールで開催された全校クラス対抗の大会です。

こういう行事は、わが子の障害とともに成長も実感する機会です。

カイの学級は4人なのですが、合唱では貢献できずすまない…。それでも、ビデオカメラで30倍ズームした先のわが子は耳を押さえながらも笑顔で口を動かしていました(歌ってた!)。すごいな、うれしいなと思いました。

ハンドベル演奏によるAmazing Graceでは、適切なタイミングで音を奏でることができました。これは、結構得意なんですね。ほっとしました。

他のクラスの合唱は、課題曲と自由曲の二曲を歌うのですが、夢や未来や団結という歌詞が心に染みました。練習がんばったん だろうなあ…。

僕たちが中学生だった頃と、同じような歌を歌っているのだけれど、80'sと比べて10'sの中学生が目の前にしている「未来」は、格段に厳しい。
けれども、今の中学生も、あの頃の僕たちと同じくらい傷つきやすく、脆い存在に見える。
しっかり大人をやらなければと思った。わが子のためだけでなく、この子たちのために、大人として、もっと幸せに生きやすいまちにしていきたい。

"今、君と(君といっしょに)未来への扉開こう
今、君と(今、君といっしょに)あふれる希望をうたおう

めぐる風めぐる想いにのって
すばらしい明日に会いにゆこう"

3年生の課題曲「時の旅人 作詞:深田じゅんこ」より

【1,000記事達成】カイ☆お誕生日おめでとう!

カイの14歳の誕生日を、ブログ10周年1,000記事目で祝うことができるなんて!
わすれられない記念日になりました。
これだけ一緒に生きてこれた証を。誇りに思います。

パパの苦労など、きみの苦労にくらべたら、ささいなもの。
きみは、人生のフルコースを味あわせてくれたね。

いつか、きみがパパとは別々のところで、生きていくときに、
決してひとりぼっちにならないように
パパは仲間たちと一緒にがんばるよ。

お誕生日おめでとう♪ 祝えるかぎり祝わせてね。

去年の記事から順に、誕生日をふりかえってみます──

ティーンズになりました!
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52414192.html
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12th Birthday! カイ、お誕生日おめでとう!
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52311898.html
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開店(テン=10)祝い!
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/51963618.html
10歳おめでとう


8才のお誕生日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/51156189.html
cake


はっぴーばーすでー(7歳)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50677658.html
7歳のバースデーケーキ


お誕生カイ(6歳)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/28570828.html
フゥ


お誕生日おめでとう!(5歳)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/4626270.html
カイ観覧車





1999年8月。初めて、きみがわが家に帰ってきた日──

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怖いものなど何もないって顔してる!


現在

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大人になっていくきみへ。これをブログ掲載最後の写真にするよ♪



【10周年記念コメント募集】

 長い間、ご愛読をありがとうございます! 感謝の気持を込めて、
 年末に「10周年記念オフ会」が、できたらいいなぁと夢見ています。
 その時に、「10周年記念誌」なんてものを作れるかな???

 コメントをよせてもらえたらうれしいです。
 初めての方、お久しぶりの方、もしよかったら、よろしくお願いします!

月とゆび

「かいくんが気がついたコトやモノに言葉を添えて、世の中を教えて」という妻のことばは、僕に大切なことを気づかせてくれました。

そのことを伝えたら、妻は、
気がついたコトは、チャンスなんだよ。
かいくんが、”月”に気がついた時は、感動したなぁ〜
ある時に気がついて、空の月を、じっと見ていたの。
それまでは、『かいくん、お月さま、見て』と何度ゆびさしても、わたしの”指”を見ちゃってたから。
と話してくれました。

前にも書いたけど、僕は、カイのことを「見くびっている」のだと思います。

「どうせ、教えられないのだから…」と。みすみすチャンスを見逃し続けていたんだな。

急がせて、学校に送り届けるのが親の仕事じゃない。
同じ瞬間をともにすごして、カイの目から見た世の中を、僕ものぞいて、そこに言葉を添えていけたら。カイが、注目しているそのモノに言葉を添えることができたら。

世界が美しく、生きるに値するものだと伝えること──それは、親が子どもにしてあげられる最高のことだろう。僕にもできるかもしれない。

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モノやコトに言葉を添えて、世の中を教えて

昨日カイを学校へ送った後、妻とこんなメールのやりとりをしました。

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私は、カイが立ち止まったり、寄り道することを「時間がかかるなぁ」「遅刻しちゃいそうだ!」としか思っていませんでした。

妻からの「かいくんが(自分で)気がついたモノやコトに言葉を添えて、世の中を教えてあげてほしい」との言葉を聴いて、私の目に映るカイとその世界の姿が変わる気がしました。

失敗の連続→見くびる

親として同じ境遇の若い親御さんたちに伝えなきゃならないことは、実は私たちは「失敗の連続」でここまで来たということです。

カイが診断を受けてから就学前の時期が、私が一番自閉症の勉強をした時期でした。「こうすればうまくいく」という様々な方法を、勉強することはとても大切です。
けれども、教えてもらったことを帰宅してすぐにやってみたとしても、ほぼ100%失敗しました。
なぜ失敗するのかも、その時はわかりませんでした。

役に立ったのは、原理原則的な、「自閉症とはこういう障害だ」という理解でした。「氷山モデル」は、いつになっても、発想のヒントになります。

「こうすると失敗する」(「すべからず集」)は役に立つことが多いです。

たとえば、「声かけは理解できない」「大きな声での指示はかえって怯えさせる」「視界に入るところに、触ってほしくない物は置かない」とか。

幼いうちは特に、親もエネルギーがあるので、がんばって色々なトライをして、失敗をします。やりすぎてしまうことも。
そして、どこかで「こんなのは役に立たない」「うちの子のレベルでは無理だ」とあきらめてしまいます。

いま振り返ってみれば、失敗の要因は、子どもの「その時の能力レベル」を見誤るところにあったんだと思います。「今は、まだその時期ではなかった」ということ。

子どもの成長のスピードが、多数派の発達とは全くちがうのですが、目に見えないところで、少しずつ少しずつ伸びていきます。

ところが、親は、もうある時点で「あきらめている」ので、前に失敗したことをもう一度試してみようとはしないんですよね。「できない」と見くびってしまっている。
大人である自分と同じように子どもを固定化して見てしまう失敗です。

そこを、親以外の、教員やヘルパーが「(親御さんはできないと言っていたけど…)やれるんじゃないか?」と思ってトライしてくれることで、「できるようになっていた」とわかることが結構あるんです。

親の失敗体験によって、失っている子どもの成長の機会というものが、たくさんあるんだと、13歳の子どもを育てていて思うのです。
この、↑「親」は、「教師」や「ヘルパー」や「医師」「専門家」で置き換えることもできるんじゃないでしょうか? 長い期間ずっと見てきた経験が、邪魔をしてしまうところが。

時間をおいて、もう一度トライしてみることが大切。
そして、やっぱり、親だけで子どもを囲い込んではいけないんだと思います。
色々なタイミングで、様々な人々に関わってもらうことで、「発見」を待っている能力がある。

子どもの成長を見くびることこそが、最大の失敗だ。と最近強く思います。

<関連記事>
・彼は勉強家
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52355936.html

わかることば

少ししかおぼえてられなくても、
たくさんのことばを知らなくても、
耳をすませて、聴いているんだよ。

わかることば

小さな心で、わかることばをつないで、
せいいっぱいの想像をめぐらせて、
見通しを探している。

「人間あつかい」

「バスでのできごと」の記事を、本当にたくさんの方に読んでいただきました。ありがとうございます。

あれから、ずっと考えて来ました。

なぜこれほど、予想を超えて、読んでいただけたのか…

たぶん、みなさんが日常で目にしたことのある光景を、いじめられる本人とその家族の視点から、見返すきっかけになったのかなと思います。もし、そうであれば、とてもうれしいです。

記事をアップしてから、非常に緊張を感じました。
カイの現在の姿もさらして、現実に対してメッセージを出す行為が、どのように受けとめられるか。心配でその日は眠れませんでした。

眠れないなか見ていた、Facebookで、友だちが書いてくれた記事への感想

「あたりまえ」に見えることが、どれだけ練習し、緊張を乗り越えた冒険なのか。
どれだけそこに見えないたくさんの愛があるのか。

を読んで、初めて緊張がゆるんで、涙がこぼれました。

どれだけことばを選び、心をこめて、書いたとしても。「ハリネズミ」のように、「だれもわかってくれない」とおびえ、他人を遠ざける気持ちが、胸の中にはあって。
それでも、憎しみが連鎖するかわりに、優しさが連鎖するようにと祈りを込めて書き続けたいと思いました。

私が伝えたかったのは、「人としてみてほしい」ということでした。

どれだけ、風変わりで、理解しづらくても。人間だよ…?

「人間あつかい」されないことほど、むごい仕打ちはない…

それが、伝わったとき、やっと、私たちは、涙を流すことができます。

tsugaku

バスでのできごと(野球部のみなさんへ)

高校野球部員のみなさんへ

バスでのできごと
(*バス内で高校の野球部員が知的障害者に嫌がらせをした動画を撮影しLINEにアップしていた2012年12月に起きた事件)

報道を読んで、みなさんにお手紙を書こうと思いました。

私は、中学校に通う知的障害と自閉症のある男の子の父親です。息子の名前は、カイと言います。カイのパパということで、「カイパパ」という名前で10年くらいの間活動をしてきました。

カイは生まれた時から変わっていて、こちらの伝えたいことが全く伝わらず、夜は眠らず、とても育てづらい子でした。それでも、私たちは、「いつかよくなる」と信じて育ててきました。
カイに障害があるとわかったのは、2歳の時でした。重い知的障害と自閉症。最初は何が起きたのかわからず、ショックを受け、かなしみに暮れていました。しかし、気づいたのです。診断があったからカイが障害になったのではありません。診断の前も後も、カイはカイだ。そう思ったら、この子の成長につきあっていこうと心が決まりました。

(みなさんにはたぶん想像もできないくらい)不器用で、できないことだらけの息子ですが、13歳になり、少しずつ成長してきました。成長のひとつひとつが、奇跡のようです。ひとりでトイレに行けたとか、着替えができたとか、そんな「当たり前」にみえることが「すごい!」と感動をしてきました。

それでも、カイを1人で外で行動させることはできません。車や自転車を避けることができないことも心配ですが、「目的地へ行って、家に帰ってくる」という概念が理解できていないことが、理由です。

中学校には、私かヘルパーさんが付き添って通学しています。中学校の通学路は下見をして慎重に決めました。自閉症の人は、一度決めたら、その決めごとを守ろうとする傾向がとても強いからです。同じパターンをくりかえすことで、わからないことから来る不安をおさえようとしているのだと思います。

カイには、3歳年上のお友達がいます。彼は今は、1人で地下鉄に乗って、特別支援学校の高等部に通っています。カイよりも、できることが多いお友達なのですが、1人で通学できるようになったのは本当にすごいことです。何回も何回も練習をしたそうです。

初めて1人で通学した朝。お父さんが隠れて見守りながらついていったそうです。
お父さんが緊張しながら観察していると、驚いたことがありました。電車を待つ間の立つ位置は、お父さんが立っていた位置とまったく同じ。乗り込んで椅子に座ってから目をつぶって「寝たふり」をするのも、お父さんがいつもするのと同じでした。

真似をしていたんですね。

私は、その話を聴いて、すごい!と思うと同時に、いじらしさに泣きそうになりました。自閉症の人は感情があまり表情に出ないので、クールに見えます。でも彼の内心は、とても不安だったんじゃないかな? お父さんと同じことをすることで落ち着く、それ以外のやり方は選べない。

カイがお友達のように1人で通学できるようになることは、憧れです。見込みは薄いけれど、あきらめたわけじゃありません。
とっても難しいことだから……。
もし、1人で通学できるようになっても、予定外のことが起きたときに、自分で対処はできません。不安で怯えてパニックになるかもしれません。

突然のできごとに対して、みなさんのように柔軟に対応することはできないので、誰かに助けてもらうことを期待するしかありません。親に電話してもらって、迎えにくるまで、安全な場所で待たせてもらうとか。

身体が大きいくせに、しゃべれなかったり、奇妙な癖があったりして、「おかしい」と思われるでしょう。でも、このことをわかってください。

身体が大きくても、
心は「3歳」くらいなんです。

もし、バスの中で、3歳の子が一人でおびえて泣いていたら、みんなで助けようとするでしょう。
もしも、障害のある人が困っていても、同じように助けてもらえませんか?

周りの方々に、助けてもらえると信じて初めて、1人で外出をできるようになれます。
私は、カイが1人で出かけられる将来をあきらめたくありません。

住む地域はちがっても、みなさんが、カイのような人たちを手助けしてくれたらどんなにいいかと心から願っています。

バスで、ひとりで通勤することが、毎日どれだけの不安に満ちた「冒険」か──
ここまで来るためにどれだけ多くのひとたちの、愛情や想いがそそぎこまれて、できるようになった「今」があるか──

わかってもらえますように

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13歳の息子の父親より

【4年後のメッセージ】
・RE: バスでのできごと(野球部のみなさんへ)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52647993.html
 4年が経って、もう一度野球部(だった)みなさんへメッセージを書きました。


(*)兵庫県西部の県立高校の野球部員ら1年生10人が今月11日、路線バスの車内で知的障害者とみられる男性に嫌がらせをし、その様子をスマートフォンで撮影していたことがわかった。高校は10人を5日間の自宅謹慎にした。

 高校によると、生徒らは11日午後6時ごろ、下校中のバスに乗車してきた男性の前にかばんを置いて通行を妨げたり、男性がいつも座る席に生徒が座ったりする嫌がらせをした。男性が怒る様子を撮影してスマートフォンのアプリ「LINE」に投稿し、仲間内で閲覧していたという。

 校長は「相手の立場に立つ優しさがなく、明らかな人権侵害。今後も徹底的に指導する」と話した。教頭が男性の家族に面会を求めたが断られたため、校長が電話で謝罪したという。(朝日新聞、2012.12.28)

お誕生日:ティーンズになりました!

13歳になりました。カイもteensの仲間入りです。なんだか信じられない。
中学校の一学期も。よくがんばりました。
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今年のケーキは、七夕の短冊に書いたアップルパイです。願い事がかなったね☆

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大好きなリトルブレイブトースターのカードをもらったよ。見るとどうしても笑顔になっちゃいます。こんなteenですが、これからもよろしくお願いします!

わからないことはわかっているのだろうか

数日前に「子ども(どうし)がねがうこと」という記事を書きました。

カイがちいさいときからずっと思っていることがあります。


この子は、他の子と自分を比べているのだろうか?

「できない」と思っているのだろうか・・

わからないことはわかっているのだろうか?



カイは、ブランコやすべり台やシーソーが嫌いでした。嫌いだと思っていました。それは彼がいやがってやらなかったから。
でもある日突然自分からブランコに行って、乗ってこいだのでした。それを見て、できるようになったからやったのだと思いました。
「失敗」がイヤだったのだと思いました。自分なりに「手におえる」と思えた時から、手を出してみようと思うのかな。

ことばがあやつれない、ということは、考えをまとめたり、外に伝えたりすることが不自由です。
ことばにならない、伝えられない思いは、他人からは存在しない、とされがちです。一番近くにいても、わからないことだらけです。

何も気にしていない、自己流、自分の世界にいるように見えることが多いこの子は、わからないことがわかっている、できないこともわかっている、屈託や屈折も彼なりにある。

中学生になりました。
中学校は周りのレベルが高いので、ものすごくがんばっているようです。
それを見て、うれしくもあり、胸が苦しくもあり。親も他人だから、本当に彼の気持ちを知ることはできないし、わかってやれない。悩みを話したり、聴いたりすることも、できないし。

「無理しなくていいよ」という言葉かけは、一体どんな意味があるのだろう?

成長しようと背伸びをする、できない、ということはわかっていても、がんばる。
がんばりたいときには、がんばって、と応援したい。
「がんばれ」という言葉が大嫌いなカイだから(嫌な記憶と結びつき過ぎている…)、その言葉を口にしなくても、僕らは応援することができる。

他人が存在すること
自分は風変わりだということ
できるようになりたいきもち

そういう屈託が、みえてきた気がする。

成長は続く。

成長痛は、だれにでもある。

痛みを、おそれない。
がんばれるときに、がんばっておこう。

kaiswing
カイ3歳

サヨナラをすることが仕事

入学式も終わり、新年度新しい環境で数週間が経ちました。あと1週間でゴールデンウィークですね。ちょうど疲れが溜まった頃に連休というのはよくできていると思います。

桜吹雪に翻弄されて少し落ち着いたこの時期。Facebookで、3月に書いた投稿をシェアしたいと思います。


僕は学校の先生をしている友だちが多い。この時期、卒業の話題をよく耳にして、わが子の卒業式にも出て。このことを書いておきたくなった。

こばくんが昔ね、教えてくれたんだ。

「教師という職業は、さよならすることが仕事なのだ」と。

そのことばが心にずっと残っていて。
卒業した子たちは、それぞれに巣立っていって戻ってこない。戻ってきては困る。
だから、どれだけ深く関わっている生徒さんとも、いずれはお別れするんだと。いつも意識してなくちゃならないと。

どんな仕事にだって、別れはつきものだけど。教師は特別だよね。
教え子は、それでも、忘れずに時々思い出したりするのだけれど。会いにいくことは本当に少ない。それでいいんだよね。

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子ども(どうし)がねがうこと

子どもどうしの会話──

願い

「3ねんせいのときはちいさかったけど、もう6ねんせいだからできるようになるよね」
「きっとちゅうがくせいになったら、お話しできるようになるよね」
ぐっときてしまったのは、彼の言葉には、「願い」がこめられているから。

希望

大人の目からみて、中学生になっても、劇的な変化は、予想できない。かれも、うすうすとそのことには気がついているのかもしれない。それでもそっと、信じて、語りかける。 だって「ちゅうがくせいだもん!きっと、なにかがかわる!」(ぼくだって)という願いをこめて。

祈り

ものを言わぬ子は、なにかたいせつなことを話しかけられていると知ってか知らずかじっとしていた。

中学生になりました!


たくさんのお祝いのメッセージをありがとうございました。
おかげさまで、中学校に入学することができました。

満開の桜の下、カイなりに、とてもがんばっていました。

先生がたも、とても優しくあたたかく迎えてくださいました。新しい生活に慣れるまでの間、カイも私たちも緊張がしばらく続きますが、みなさんに支えていただきながら、これからも歩んでいきます。

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さくらみてるよゆうないよ

明日は中学校の入学式です!

明日は中学校の入学式です!

「カイ君、明日は何の日?」と聞くと、
「◯◯ちゅうがく」と答えてくれました。

卒業式の日から「4月から、中学生になります」と毎晩伝えた成果でしょうか?

ドキドキしますね。
桜が満開のなか、入学します。

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桜の下にコイ

卒業式

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本日、小学校を卒業しました。

先生方をはじめとする、たくさんの方々に支えられて小学校生活6年間を過ごすことができました。
感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました!

サンタクロースの正体

カイが児童デイサービスで作ってきたサンタクロースです。
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カオが可愛い

上手にできているなあと感心していると、妻が、カイくんにこれなにかきいてみてというので、

「これ、なあに?」ときいてみたら、





「…ぎゅぅにゅうぱっく」とカイ。

た、正しい!

(牛乳パックに紙を貼って作られています^^)

彼は勉強家

今日は、振替休暇をとって午後お休み。
週1回のカイの個別療育を見学に行った。

診断がついてから、ご縁に導かれてこの教室に出会い、もう10年になる。
当時のカイはカオスの中に生きていた。パニックや奇声で苦しみと混乱を訴えていた。
シンプルに構造化されたこの教室でだけは、集中力を発揮して、少しずつ「こんなこともできるんだ」という成長を積み重ねてきた。

今日は、10個の自立課題と5個の作業課題をやった。
一つひとつの課題はカゴに入れられ、番号を振った棚に入れられた。課題はカイ自身が左側の棚から出し、作業をして、終わったら右側の棚にしまう。おなじみのワークシステムだ。

私が見学するのは久し振りだった。今回もまた「こんなこともできるようになったんだ!」とうれしい驚きの連続だった。
特に感心したのが、紙を四つ折りにして封筒に入れて封をする作業をした時。紙が残り2枚になった時に、封筒を示して、封筒が1枚足りないことを教えたこと。見通しを持って作業をしていること、不足をこちらに伝えてくれたこと、が素晴らしいと思った。

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封筒を指さして、足りないことを伝えている

10年の積み重ねがあってのことだ。
感謝の気持ちが熱いものになってあふれてしまいそうで、見送ってくれた先生の顔が直視できなかった。

療育の後は、音楽の時間。こちらは初めての見学。
オートハープやハンドベル(押して音がなるタイプ)を、シールで色分けされたボタンを、先生の指で示されたタイミングで演奏をしていた。「演奏」だよ!!
間違えたときは、自分でもわかるようで、やり直して。きちんと曲になっていた。カイが、演奏、している!!

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ハンドベル。シールの楽譜にあわせて演奏

ピアノも、右手と左手を使って、3つの音ずつ順番に弾く練習をしていた。ぎこちなく、かたい音だけれど、いつか一人で曲を弾けるようになるかも?なんて、期待をもたせてくれた。

最後の、「グッバイ、かいくん♪」という先生の歌を聴いた瞬間、涙がこみあげてきてしまった。
この子がこんなに興味を持って、音楽を楽しんで取り組めるようにしてくださった努力と愛情に、「衝撃」を受けていた。

私は、なーんにもできていないダメおやじだが、何よりもダメなのは、わが子のもっている能力(ちから)をみくびっていたことだと今日は思い知った。

ここにいる先生がたは、子どもの「育ちの芽」を、「兆し」を、どんな細かいことでも見逃すまいとして限られた時間の中で集中して探している。それは、カイという人間を敬して、みくびらないという信念からだ。

私はいつの間にか「障害児の親」に慣れて、カイをみくびっていなかったか? 今日はそのことに気づかされた。

別れ際に、先生がかけてくださったことばを記しておく。

「彼は勉強家だから、わたしたちもやりがいがあります」

祝福のことばです。

小学校最後の運動カイ

先週の土曜日、運動会でした。
カイはいつもと同じ生活が好き。運動会やイベント事は大の苦手。いつもの時間割が変更になって、運動会の練習が入り始めると調子を崩し、本人もとても苦しそう。

母子通園施設の時から始まって、毎回ハラハラしながら乗り切って来ました(がんばって乗り切っているのはカイです)。

たとえば、小学校最初の運動会の記事。(よみがえるなぁ…)

今回は数えてみると10回目の運動会。昔は、人目が気になったり、他の子と比べたり、いろいろな意味で大緊張をしましたが、いい意味で開き直れるようになりました。

ところが今回は──思いがけない展開でした。

徒競走。スタートは先生に付き添われ、いつもと同じように手を引かれて走るのだと思っていました──

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あれ?

徒競走、先生が先導してくれたけど、手は握らずに、1人で走り抜きました!
ビリでしたが意外と速く、走っている間ずっと余裕の笑顔でした。


そして、組体操。当然「マリオネット」状態だろうと想像していたのですが──

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えっ…誰も付き添ってないの?

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自分でよじ登ってキメポーズ。
「あれ、カイくんだよね??」と思わずつぶやいてしまいました。


本当にびっくりしました。

他の競技も、先生方のくふうとお友だちのフォローのおかげで、一員として参加できていました。
ものすごくっ、がんばってくださったことが伝わってきました。カイに関わるみなさんの真心があふれていました。感謝の気持ちでいっぱいです。

2004年の保育園での運動会のことを書いた記事を読み返してみました。

7年前の自分に伝えてあげたい。

「できない」は「今は、できない」だけ。
もしかしたら、ずっとできないかもしれないけれど、いつかはできるようになるかもしれない。
そんなことは「今」の時点では、だれにも断言できない。
親は、悲観もせず、楽観もせず、可能性を信じて育てていけばいいんだよ。

いつか、わが子が証明してくれるよ。
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ねっ!

カイのサポートブック携帯版

保育園の頃から、カイのサポートブックを、妻が欠かさず作り続けてくれています。
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カードサイズの携帯版
(学校や事業所などには、A4版の詳細版サポートブックを渡してあります。)

表紙には、顔写真にメッセージ♪
カイです。よろしくお願いします!

自閉症で言葉が苦手です。
文字で書いてもらうと、少し分かります。
質問されても、うまく答えられません。
困ったことをしたり、変わったことをします。
まだ3歳くらいの心です。
迷子のときは、危ないので、助けてください!

体が小さいのは、病気のせいです。ぐったりしていたり、
大怪我をしていたら、救急車をお願いします!

このメッセージは、自閉症を知らない人にわかりやすいように、「言葉が苦手」であるとか「3歳くらいの心」という表現をあえて使っています。

本文は、次の項目が1枚ずつまとめてあります。
1 「自己紹介」
2 「連絡先」
3 「コミュニケーション」
4 「身辺自立」
5 「食事」
6 「好きな遊び」
7 「苦手なこと」
8 「問題行動」
9 「かかりつけ医」
この項目と順序は、カイの状態や、渡す相手によって変更をします
サポートブックは、形式も内容も「これで決まり」というものではなく、常に変化をしていくものなんですよね。

携帯版のよいところは、まずサイズがコンパクトなところ。
読むのがラクなので、全部目を通してもらえます。(お医者さんや初めて入るヘルパーさんには重要な点)
ポイントをしぼってあるので、大切なことが覚えてもらえる。
そしてもちろん常時携帯できます!

私も持ち歩いていて、時々取り出して眺めています。

これから初めてサポートブックを作成したい方には、こちらのリンク集をどうぞ。

・発達障害 自閉症 サポートブック
http://www.support-book.net/

(参考)
・togetter: 自閉症・発達障害のわが子を伝えるサポートブック、何を願って、どう作ったらいいの?
http://togetter.com/li/100465

・カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル : 初トゥギャリました!「自閉症・発達障害のわが子を伝えるサポートブック、何を願って、どう作ったらいいの?」
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52251375.html

ココロも満タンに

最近カイがよくリピートしているのが、
「ココロも満タンに♪ コスモ石油」というCMソング。

私はテレビはほとんど見ないので、今もこの曲を使っているのかな?と調べてみました。

・「ココロも満タンに」サウンドロゴ:コスモ石油
http://www.cosmo-oil.co.jp/ad/mantan.html

最初に使われたのが、1997年で、以来使われているのですね(「サウンドロゴ」って言うんだ)。
初めて聞いたときに「いいな。うまいこと言うなぁ」と感想をもったことを覚えています。

緊張した時や、不安なときに、よく出てしまうエコラリアなんですが、

ココロも満タンに♪

というやわらかいフレーズは、「そうだねー」と優しい気持ちになります。

風変わりですが、いい子なんです。

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12th Birthday! カイ、お誕生日おめでとう!

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ことしのケーキはなあに?

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うわー、おっきなメロン!

ママの手にかかると…あーら、ふしぎ♪

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すてきなメロンケーキにへんしん!

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たべるたべる

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しゃくっしゃくっ、いい音♪

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ずずーっ

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完食!

ワイルドで生命力あふれる12歳になりました。
あしたから夏休み♪ いっぱい遊んで勉強しておおきくなるぞー! 
おーっ!

父の日

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カイからおてがみをもらいました♪

学校開放の日に作った和紙に、書いてくれました。
カイは意味はわからないので、先生に手伝ってもらって書いています。
筆圧とか、字の大きさとか、とてもがんばって書いてくれました(よーく見ると、文字ごとに鉛筆で◯が書いてあってその中におさめるように書いたみたい)。

マリオネット的な面はあっても、うれしいです。

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特訓のあと
(左はほとんど先生に直されているけれど、右は少しじょうずになっている?^^)


ありがとう、カイくん。おしごとがんばるね♪

カイの学校開放の日(参加できず…)

今日は、カイの学校開放の日です。

急な仕事が入ったので、それを片付けてから駆けつける予定です。

小学校生活も残り10か月。今日はどんな姿を見せてくれるかな?

楽しみです。

<17:00追記>
仕事が長引いて、学校見学に間に合いませんでした…ざんねん(><;)

Live forever

あまり考えないようにしているが。

カイにとって、「思い出」とか記憶に関するものを残すのは難しいこと。

ぬくもりや愛情は、具体的な物質的なもの。
パパのじょりじょりやママのさらさら。



いのちが終わるとき、からだは消える。
しがみついて心を落ち着けたくても、そこにはもうない。

「思い出」のかたちで残せる親子はいいな。

願うのは、Live forever
可能な限り、長く
君の未来を見通せるまで

BS2が無くなる…

4月1日からNHK BS2がなくなるんですね。

・NHK 新BS
http://www.nhk.or.jp/newbs/

BS2はカイのお気に入り。無くなったことをどうやって伝えてわかってもらおうか…

理解することは難しいだろう。

こんな、ささいな変化が生活を混乱させる要因になるんです。

チャンネルが「見れない」ことをどうにか納得しても、「びーえすつー!」は、言い続けるだろうな。
うーーーーん。

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